2015_3.16

病院診察日。午前8時30分に家を出発し、9時京都駅発の市バスに乗って50分かけて病院前の停留所まで。ちなみに初めて行く病院。多発性硬化症の専門医が多く在籍している、国内では数少ないMSの専門的医療機関。市内からは外れた場所にあるのが少々ネック。熊本でフォローしてもらっていた病院からの紹介状を出し、受付を済ませると10分も経たないうちに診察室に呼ばれる。初診だがおそらく今回からしばらくはお世話になるであろう神経内科の先生と初顔合わせ。柔らかい雰囲気で優しそうな人。毎度のことだが何年前に発症して何年前と何年前に入院して……といったこれまでの経緯を初診では説明することになるので、あらかじめメモ書き程度の自作資料をA4用紙1枚に打ち込んでおいたのでそれを渡す。あとは過去通院した病院での検査結果をコピーした書類。渡したがあまりを目を通す素振りはなかったので少し不安になる。紹介状に書かれた症状と経緯をメインで追いながらの質問に一つずつ答える。ベッドに仰向けに寝転がり、各部位の反射機能検査。左手、左脚の筋力は右側に比べると弱いままであるよう。左手の動かしづらさも残ったまま。水平眼振もアリ。左顔面温痛覚も低下のまま。閉眼状態でのその場足踏み検査も受ける。右斜め前方向を向き、大きく後進していた。そして、最後にMRI検査へ。最短が12時スタートだったのでそれで予約。1時間の空き時間ができたのでその間に食堂で昼食。天丼600円。11時半になり他に時間を潰すところもないので検査受付前へ。12時前に名前が呼ばれ、ベルト類を外してからいざMRIへ。この検査をする時は毎回、仰向けに頭を固定されてから機械の中に頭から水平方向にベッドと共に入っていくのだが、筒状の狭いところに入り、撮影機器の真下に着いた瞬間、強烈なめまいが起こるのである。体感では仰向けのまま頭の方向に水平移動している感覚が残っているのに実際は既に止まって視覚でも動いていない、という三半規管の錯覚がめまいを引き起こす原因だと思うのだが、これまでに何度も耐えきれずパニックになり、一度出してもらうことが多々あった。今回は検査技師の先生に全て説明してみることに。すると、ベッドをMRI機器の高さまで上昇させておいた上で水平移動はなるべくゆっくりやりましょう、ということに。機械に入っていき、静止した後、めまいが治まってから撮影を始めてもらいたい、という提案にも、そうしましょう、と非常に協力的に受け入れてくれた。結局、機械に入ってからめまいは3分ほどで落ち着いたのでそこから検査スタート。検査時間は約15分。途中で何度かグラグラ、クラクラ系の強いめまいが出たが、動くとまた最初からやり直しになるため、歯を食いしばり何とか最後まで耐える。検査を終え、結果はまだわからないが心の底からホッと一息。そのまま診察室へ戻り、撮りたてほやほやのMRI画像を先生と見ながら、説明を聞く。MRI上の診断結果は、白っぽい部分はいくつかあるが新しい病変ではなく異常な無し、16歳の時の病変は延髄に傷跡として残っている、とのこと。平衡失調、左手足の脱力症状、左顔面の温痛覚低下はやはり発症時の後遺症として今も残っている、らしい。とりあえず再発してなくて良かった。処方箋は漢方、エチゾラム、抗めまい薬はなし。漢方は茯苓飲合半夏厚朴湯1日3包、エチゾラム1日2錠。エチゾラムはこれまで頓服用で週に4錠ペースで処方されていたが今回診察を担当した先生は1日2錠を処方。確かに服用している間はめまい感は多少気にならなくはなるがよく依存症になりやすいとも聞く。今までにない処方なのでこれを機に身を任せてみようと思う。めまい薬なしは、これまで色々な病院で恐らく抗めまい薬に分類されるものは一通り処方されてきたものの症状の改善がなかった、と話したからだろう。いい意味で一度リセットできたような気がする。幼少の頃から感じているめまい感から16歳で発症した多発性硬化症、どちらも原因不明で現時点では完治は見込めないが、こうなってしまったものは仕方がない。なるようにしかならない、と思って前向きに生きよう。次の診察は2ヵ月後。清算後、難病支援センターで相談員のフルタさんと話し、次回の診察の際、難病申請に該当するか主治医に精査してもらうことに。今は高額なMS薬が必要な状態ではないが、症状&後遺症があるのには変わりない、という結論。軽度なのは幸いだが。申請について勉強しよう。